低糖質食は危険!?その疑問を徹底解明!!

低糖質食は危険!?その疑問を徹底解明!!

今回は糖質を制限することで御心配されている脳へのエネルギー供給について御説明いたします。
人体には膨大な量のエネルギーが皮下脂肪・内臓脂肪に蓄えられています。心臓・肺・消化器・肝臓などすべの臓器は脂肪が消費されるので水さえ飲めば1ヶ月程度は生き延びられる脂肪が貯蔵されています。
ただ1つだけ困ったことがあります。
それは「脂肪からブトウ糖が合成できない」ことです。
では脳への影響が考えられるのでは⋯。ご安心ください。
私達の大切な脳のエネルギー源はブトウ糖(グルコース)ですが脂肪からブトウ糖は合成できません。もし脳が脂肪を消費できるのであれば私たちのダイエットは簡単なのですが「脳細胞は脂肪を燃やせない」のです。そして脂肪からブトウ糖(グルコース)を合成することもできません。ブトウ糖はアミノ酸からしか合成できません。肝臓が血液中のアミノ酸からブトウ糖(グルコース)を合成します。そのことを糖新生と云います。
※体内ではブドウ糖はグルコースに分解され血中ではグルコース。筋肉・肝臓にはグリコーゲンとして貯蔵されます。
ダイエットでエネルギー量を減少させるとエネルギー量の不足分が体脂肪で補われます。 肝臓・心筋・呼吸筋・消化器・筋肉は脂肪を消費できるので糖新生が起こることはありません。 糖新生が必要な臓器は脳と赤血球のみです。脳の血管の関門(血中脳関門)は細くグルコースしか通過できないので脳のエネルギー量が不足したときにのみ糖新生が必要になります。
『赤血球はミトコンドリアを欠いており、それ故、つねに(嫌気性の)解糖とペントースリン酸回路に完全に依存している。脳はそのエネルギー要求性の約20%をケトン体でまかなうことができるが、残りはグルコースから得なくてはならない。絶食時および飢餓時の代謝の変化は、グルコースと肝臓および筋肉内の限られた貯蔵グリコーゲンを脳や赤血球のために残しておく必要性があるために生じる。また、ほかの組織のためにも、グルコース以外の代替エネルギー源を供給するためにも必要である。』(『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書27版』p154)
上記の内容から糖新生の過程で齎される「ケトン体」も脳のエネルギー源として利用されることが解ります。
しかし脳はケトン体に完全依存できません。どんな時でもグルコースからある程度のエネルギーを得る必要があります。そのためグリコーゲン分解や糖新生で血糖(血中グルコース)を維持し他の組織(筋・各臓器)は脳(と赤血球)のためにグルコースを節約してケトン体や遊離脂肪酸でエネルギーを賄います。
従って結論として「糖質は摂らなくても脳への影響は心配ないが糖質を控える分の蛋白質やビタミン・ミネラル群を摂る必要がある」。
またアトキンス式ダイエット(アトキンス博士が提唱するダイエット法)では最初の2週間は徹底して糖質量を抑制し期間後はGI値(糖質の吸収速度)の低い食材から少しずつ戻していくという方法もあります。